アウディ A6 エアサスポンプ修理
2014-10-22
アウディA6 オールロードのエアサス故障が入庫いたしました。
四輪とも完全にエアが抜けてしまっているようで、ハンドルを切ることすらできないほどのペタペタの低い車高になっていました。
とはいえ、エアサスのポンプは車高を上げようとウンウンと回り続けています。
ホース類を外してみてみると、ポンプからほとんどエアが出てきません。
ということで、エアサスポンプの純正品の見積りを取ってみると、なんと部品代が約30万円。
何とか安くならないかと、海外のサイトを物色すると、エアサスポンプのリペアキットを発見しました。
早速パーツをイギリスから取り寄せて、修理にトライ。
届いたポンプのリペアキットには、ピストンリングとばらす際に交換すべきOリングが入っていました。
ポンプをばらし、ゴム製のピストンリングを交換します。
ここで、ピストンリングが気持ちよくバラバラになっていてくれたら、直しがいがあったのですが、若干の変形、磨耗はあれど、圧力を上げられないような醜い損傷にはみえません。
ピストンリングを交換した状態で、ポンプに電力を与え、回してみます。
エア、出てきません。
残念ながら、今回のポンプの主原因はピストンリングではなかった様で。
原因を探るべく、さらにポンプを分解。
ソレノイドや、バルブ関連、インテーク関連を点検していくと、
ありました。
原因発見。
このバルブのゴム、おそらく空気の流れを一方に制限するための、ワンウェイバルブでしょう。
これが壊れてしまっては、折角ピストンが動いて作った圧縮空気を送り出すことができません。
この直径1センチのちいさな部品だけが単品で手に入れば、それこそ30万円ポンプと同じ価値あるのですが。
ものはためしと、耐熱温度300度のシリコンゴムを形作り、壊れた部品の代用品として組み込んでみます。
ポンプを回すと、ホースからは圧縮空気が飛び出すではありませんか。
ホースを繋いでみれば、車高もゆっくり上がっていきます。
と、喜ぶのもつかの間、室内のスイッチで30分ほどサスペンションの上下動を繰り返すと、もう動かなくなってしまいました。
もう一度、分解してみると、
お手製のシリコンバルブは強度が足りなかったようで、真ん中に穴が開いてしまっていました。
あと一歩のところまで行ったのに、残念。
しかし、なんという偶然か、翌日、メルセデスベンツW220のS500のエアサス修理で交換したポンプを見ると、ポンプの形、一緒じゃないですか。
そのS500のポンプはハウジングが破裂するという修理不可能の故障でしたが、バラしてみると、
幸運なことに、ワンウェイバルブのゴムは、生きていました。
形も素材もA6と同じです。
AUDI A6のポンプにこのバルブを組み込み、バッチリ直りました。
このゴム、30万円の価値がありましたね。
クレシェンドでは、お客様に喜んでいただける様に、いろんなアイデアをご提案します。
ディーラーの修理で、高くて困っている方。
クレシェンドでは、純正品同等のクオリティの割安な新品OEM部品を使用したり、優良な中古品を選んだり、今回のように部品自体を修理したり、お客様と相談をしながら、お客様のニーズに合わせて臨機応変に修理の対応いたしております。
どうぞ、お困りごとはお気軽にお問い合わせください。