ドラッグレース
2015-09-26
ヨーロッパ車の取り扱いの多いクレシェンドですが、少しだけアメリカ車のお客様もおられます。
アメリカ車といえばやっぱりデッカイV8エンジン。
あちらのエンジンのサイズはキュービックインチという単位ですが、良く聞く「350ci」エンジンっていうのは5700ccの排気量。
5700ccなんて、アメリカではスモールサイズです。
427ciくらいからビッグブロック、502ciくらいまであります。8200ccですね。
でかいです、ホントに。
で、でかくてタフなんですね。で、排気量に物をいわせて、改造して行くととんでもない馬力になります。
一部のアメリカ人は大パワーが大好きですから、どんどんパワーを上げて、当然の様にゼロスタートで1/4マイルを走る「ドラッグレース」をやるわけです。
僕もエンジンが好きなので、富士スピードウェイのドラッグレースに何度か行きました。
幸運にも運営者の手伝いというテイで、パドックやスタートエリアにも自由に立ち入らせていただけました。
もう、近くでみるとやっぱりすごいです。
いち、メカニックとしても非常に興味深い事が多いです。
一番上のカテゴリーの「トップフューエル」は、燃料はニトロです。
ナイトロメタンといわれているやつです。
ガソリンの二倍以上のパワーの出る燃料です。
まずエンジンをかけるときはガソリンでスタートし、かかったらニトロのノズルを開いていきます。
もちろんとんでもないパワーのエンジンなので、ガソリンでもすごい排気音なのですが、ニトロを混ぜていくと、
ボボボボボボボ、というエンジン音が、バリバリバリバリ!!!という凶暴な音に変わっていきます。
そうすると、このエンジンが8000馬力とか、10000馬力とか、桁違いのパワーを持つ事になります。
そんなパワーで400メートルを4-5秒台で走ります。
ゼロスタートで、400メートルのゴール地点で時速500キロになります。
そんなトップフューエルですが、予選から決勝までは、何度か走る事になりますが、400メートルを全開で走ってピットに帰ってくると、エンジンをバラします。
さすがにバラバラにはしませんが、オイルパンを外してクランクメタルを外して点検したり、シリンダーの内壁に傷が無いか、という、所までを一回走るごとにやります。
そのメカニックの作業スピードや、真剣さがとにかくかっこ良くて。
レース自体ももちろん楽しいのですが、パドックエリアもレースの醍醐味です。
ドラッグレースにはカテゴリーがたくさんありますが、ジェットカーも楽しいです。
これもすごい馬力なのですが、そのアフターバーナー時の音と、温度がすごいです。
言葉で、温度が、といっても伝わりにくいと思うのですが、現場にいると何度観ても、にやけてしまうほど楽しいです。