機械修理
2015-01-14
車とは全然関係がないお話なのですが、機械の修理のお話です。
先日知り合いに頼まれた、動かなくなった古いレジスターです。
純国産の昭和40年代のレジスター。
金額を打ち込む数字のボタンを押して、機械の右側についているハンドルを回すと、金額を表示するダイヤルが回りますが、金額がハチャメチャです。
電源コードも欠品しているようで、もちろん電動でも動きません。
まずこのレジスターの構造がわからないのでバラしてみると、電動でも手動でも同じ動きをするレジスターだということがわかりました。
昭和40年ころは、まだ電気がないところや、停電などが頻発するところもあったのかもしれません。
プラスチックの部品はボタンとお金のトレイのみで、他の構造物はすべて「鉄」です。
私にとって驚くべきことは、計算機能を含め、そのすべてがメカニカル構造だったことです。
それゆえこれだけたくさんのボタンがあるということなのですが。
まずは内部のホコリをできるだけ掃除をして、固まった古い油を洗い流します。
いろんな操作をして、機械部品の動きを見ながら、必要箇所に新しい油をさしていきます。
各部のねじの緩みを増し締め。
バネがついていそうな形をしているのにバネがついていないところには、バネを新設。
逆に、「ここにこのバネがあると、このレバーが引っかかって、どうしても動かない」という状況は、バネを取り外してみます。
このばねの取り外しのおかげで、足し算のボタンが押せるようになりました。
結局最後までこのばねの必要性が理解できませんでした。
トレイが開くときに「チーン」と鳴る、ベルがうまくならないのでこれを修理。
モーターの配線が切れているので、ハンダ付けで修理。
付属していなかった電源ケーブルをDC何ボルトのものを選べばいいのかモーターの品番などで調べていると、それが「交流モーター」であることがわかりました。
私も初めて見ました。
恐る恐る、コンセント直の「AC100V」をモーターに繋いでみると、ちゃんとモーターが動きます。
欠品していたコンセント配線を新たに作り直してみると、
動きました!
すばらしくかっこいい動き。
機械好きにはたまりません。
電動でも、ハンドル手動でも動きはバッチリです。
動画も撮りました。
もちろん計算もバッチリです。
あとはレシートの紙とインクを注入すれば完璧です。
修理4時間のうち、機構を理解するのに2時間かかりましたが、メカニックの血が騒ぐ、楽しい修理でした。